後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2021年9月5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 2:33 柏原新道登山口−−4:53 種池山荘−−5:31 爺ヶ岳中峰 5:44−−5:57 爺ヶ岳南峰 6:00−−6:28 種池山荘−−7:38 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2021年9月5日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
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コメント秋雨前線が南岸に停滞し土曜日は広範囲で雨で山はお休みにしたが、日曜日は長野南部では大雨の場所もあったが北信は雨の可能性が低そうなので後立山の爺ヶ岳へ。伊那や埼玉では大雨注意報が出ていたが大町では予想より天気は良く、夜中は星空で夜が明けると薄曇りで稜線に雲は無かった。東や南は背の高い雲で遠望は効かなかったがその他はまあまあ。ただし富山方面の稜線には雲がかかり続けていた。今週末の天気予報はイマイチだったので駐車場は空きが目立ち、下山中にすれ違った登りのt残者は20人に満たなかった。稜線ではウラシマツツジの紅葉が始まっていた




夜中2時半過ぎに出発 真夜中の扇沢駅
一枚岩。標高2000mのいい目印 アザミ沢
ガレ沢。さすがにもう雪は無い 種池山荘。僅かに明るくなってきた
東の空。思ったよりも天気がいい 振り向けば立山、剱岳
南峰を巻いてまずは中峰へ 鹿島槍もすっきり見えている
爺ヶ岳中峰山頂 雲海から日が出た
爺ヶ岳中峰からの展望(クリックで拡大)
爺ヶ岳中峰から見た頚城山脈、北信の山々
爺ヶ岳中峰から見た穂高、槍ヶ岳
爺ヶ岳中峰から見た冷池山荘 爺ヶ岳中峰から見たテント場。少なくとも2張はあった
南峰に向かう トウヤクリンドウ
ミヤマコゴメグサ ウラシマツツジは紅葉していた
トウヤクリンドウの群落 萎れたコマクサ
爺ヶ岳南峰 爺ヶ岳南峰から見た爺ヶ岳中峰
爺ヶ岳南峰から見た展望(クリックで拡大)
種池山荘へ下り始める 雷鳥登場。母親+子供3羽根だった
母親 子供。まだ親より明らかに体が小さい
別の雷鳥 ヤマハハコ
ナナカマドの実 チングルマの綿毛
ミヤマアキノキリンソウ。登山口でも見られた 葉っぱはシラネニンジンっぽい
ミヤマコウゾリナ オヤマリンドウ
白いオヤマリンドウだろうか? ミヤマリンドウ
種池山荘 アザミ
ハンゴンソウ。森林限界で初めて見た セリ科だが種類は不明。樹林帯でも多く見られた
咲き残ったハクサンフウロ ゴマナ
ガレ場 オトギリソウ
萎れたアカバナ ? 花の形からシソ科は確実
オオバミゾホオズキがまだ咲いていた タデ科だろう。イタドリっぽいが自信なし
ユキノシタ科チダケサシ属のどれか 針ノ木岳
先週も観た花。未だ種類特定できず カライトソウ
オオカニコウモリ 針の木雪渓。先週はあそこを歩いた
扇沢駐車場。車は少ない 先週も見たテンニンソウ
対岸の駐車場はガラガラ 登山口前駐車場


・今週末は土曜日は夜中から丸一日雨の予報で、日曜日は午前中のみそこそこいい予報になったので日曜日に出かけることに。月曜日の仕事に支障が無いよう軽い山として久しぶりに爺ヶ岳へ向かうことにした。ここなら速ければ登り3時間、下り2時間で済む。

・土曜日は長野市内では激しい雷雨があり落雷の被害があったほど。自宅近くにも落雷があってひやりとした。近くの交差点の信号機は落雷で故障して、雨の中を警察官が交通整理に当たっていた。ご苦労様。私が勤める会社でも落雷の被害があり、エレベータが使えなくなっていた。こんな大雨では国道19号の地滑りによる交通規制場所で通行止めになるかと思ったが、瞬間的には大雨でも継続時間が短かったのでそうならずに済んだ。平日の夕方と違って通勤の車が少ないのでほぼ渋滞なしで通過できた。

・雨の中を扇沢の登山口へ向かったが、扇沢へ通じる県道には雨量規制があるのでちょっと心配だったがゲートは開いたままだった。柏原新道登山口前の駐車場はまだ空きがあった。まあ、この天候では当然だろうけど。でもこの車の数だけ山に入った人がいるわけで、私にはもうそんな気力は無い。

・今の時期の日の出の時刻は5時半ちょっと前くらいなので、山頂で日の出の少し後を狙うなら2時半くらいに出発すればいい。目覚ましを午前2時ちょっと前にセットして就寝。雨が降っていることもあり車の中は涼しすぎるくらいで、寝袋を被っても暑くはなかった。

・目覚ましのアラームに気付かなかったのか、それとも設定ミスで鳴らなかったのか分からないが目が覚めたのは午前2時過ぎで、急いで朝飯を食って出発。雨は止んでいたが上空に星は見えず、稜線では雨の可能性もあるのでゴアの他に傘とロングスパッツも持つ。登山口から気温は低めなので久しぶりに防寒装備もまじめに持つことに。風があった場合に備えて手袋は防水防寒のテムレスを予備に持った。

・歩き始めは長ズボンに長袖で秋の恰好だったが、すぐに体が温まって半袖半ズボンへ。少し寒いがもっと体が温まれば快適になるだろう(実際にそうなった)。暑さ対策の扇も活躍。でも首筋を冷やす濡れタオルの出番はなかったので、真夏より確実に気温が下がっている。

・歩いているうちに樹林の隙間から星が見えるようになり、思ったよりも天候は良さそうな気配。ただし針ノ木岳付近の県境稜線のシルエットがはっきりと見えないので、あちらにはガスがかかっているようだ。さて、爺ヶ岳山頂はどうだろうか。樹林の隙間から種池山荘が見える地点では明かりが見えたので、少なくとも種池山荘にはガスはかかっていないようだ。

・標高2000mの目印である「1枚岩」を通過して高度計を校正。石畳、水平道、石ベンチと通過していく。今日は調子がいいようで足の重さを感じず、ここまで来てもほとんどペースは落ちていない。この分では中峰山頂まで3時間くらいで到着するかも。もしかしたら日出に間に合うかな? もっとも、日の出が見るためには山頂にガスがかからず東の空には雲がかかっていない条件が揃わないとダメだが。

・水平道の付近は樹林が開けて南側の展望が得られるが、針ノ木峠付近に明かりを確認。針ノ木岳に向かうのかと思ったらそちらの稜線には光は現れなかった。ちなみに針ノ木小屋は峠の南側にあるので小屋の光はここからは見えないので、登山者のライトの光だったに違いない。

・鉄砲坂を越えれば森林限界を突破して種池山荘前のお花畑の斜面を登っていくが、さすがにこの時期ではもう夏の花は咲いておらず、ミヤマアキノキリンソウ、ゴマナやオヤマリンドウなど秋の花ばかりだった。帰りに僅かに咲き残ったハクサンフウロがあったくらい。コバイケイソウの穂には実がついていた。帰りにはお花畑でハンゴンソウを発見。森林限界でハンゴンソウを発見したのは初めてだった。そっくりさんのキオンも最近になって森林限界で目撃しているので、両者とも意外と低温の場所でも生息可能らしい。もちろん、森林限界まで来ると下界と違って背の高さは30cm程度しかない。

・種池山荘に到着した時には周囲は薄明るくなり始めた頃だったが、まだ真っ暗に近くライトは必須。小屋の前には一人だけ外に出ている人がいたが、爺ヶ岳方面を見ても稜線にライトの明かりは見えなかった。これが真夏だったらもうライトが不要な明るさになっている時刻なのだが。日出の遅さに季節の移り変わりを感じる。

・幸いにして爺ヶ岳にはガスはかかっていない。少し進んだ場所から西側を見ると立山、剣岳のてっぺん付近には層の薄い雲がかかっているが、基本的に上空は秋の空に似合うような高層の薄い雲があるだけで天気は思ったより良い。ただし、稜線に出ると西寄りの冷たい風がやや強く、上半身に防寒装備を着て歩いた。鹿島槍の稜線にもガスはかかっていないが、冷池山荘の光は見えるが稜線を歩いている登山者のライトの光は皆無だった。

・南峰へジグザグを切って登っていき、いつものように往路は南峰はパスして先に中峰に向かう。この頃にはすっかり明るくなっており、東の空は背の高い雲海に覆われていて日の出は遅れそうだ。志賀高原、浅間山、八ヶ岳、南アルプスとも雲の中で全く見えなかった。でも妙高、火打をはじめとする頚城山脈は雲海の上に突き出していた。

・最後の登りで無人の爺ヶ岳中峰に到着。既に雲海から朝日が上がっているが、雲海の上端は平坦ではなく太陽が再び雲に隠れて日が陰ってしまう。南に目を転ずると常念山脈、穂高、槍は雲がかからずすっきりと見えている。蓮華岳、針ノ木岳の裏側に位置する裏銀座や薬師岳には雲がかかっている。どうも今日は富山側で山に雲がかかりやすいようだ。これらの雲は時間経過とともに増えていき、やがて槍穂にも雲がかかって見えなくなってしまった。

・山頂は風が冷たいので東側で風を避けながら残りの防寒着を装着。これまでのシーズンではズボンはゴアの雨具で済んでいたが、今日は寒いので今シーズン初めてジャージの長ズボンも履いた。手袋は防水用で正解だった。雨は降っていないが風が強く、通気性のある手袋では熱が逃げて指が冷えてしまう。先週の針ノ木岳と同じだ。

・中峰では防寒着を着用しただけですぐに下山開始。このまま山頂にいても寒いし周囲の山々の展望は徐々に雲がかかって悪くなっているので長居する理由はない。南峰に立ち寄るがこちらも無人で種池山荘に続く登山道に人影は見当たらない。昨日の宿泊者は悪天で少なかっただろうから当然か。

・南峰から下っている途中で登山道上にライチョウを発見。最初は親子2羽だったが、少し離れた場所に別の雛2羽を発見。この時期に3羽も生き残っていれば上出来だろう。さらに下った場所では別の雷鳥1羽を発見。この天気でこれだけライチョウを見られたのはラッキーと言えよう。小屋からやってきたと思われる登山者にライチョウの存在を教えたが、そもそも登山道の真上にいたので教えるまでもなかった。離れた2羽の雛が登ってきた登山者を見てUターンして私の方に上がってきたので道を外れてハイマツの隙間に避けてやると、少しだけ考えたようだがすぐに私のすぐ横、2,30cmを通って親鳥に合流した。ここまでライチョウが接近したのは初めてだった。

・もう山は完全に秋に突入しており、山頂から種池山荘までの間で見た花はミヤマアキノキリンソウ、トウヤクリンドウ、ミヤマコゴメグサ、ヤマハハコ、オヤマリンドウ、ミヤマリンドウくらい。鞍部のコマクサは萎れた花が残っていた。小屋の近くのお花畑では白い花のオヤマリンドウを発見。たぶん去年は無かったと思う。ウラシマツツジは既に葉が紅葉し始めていたが、他は花が終わったお花畑が黄色くなっているだけで、紅葉にはまだ遠い感じだ。真っ赤になるはずのチングルマ、ミヤマダイコンソウ、ナナカマドとも紅葉していなかった。

・種池山荘から本格的に下りが始まり、やっと冷たい西風がブロックされて無風になったので防寒着を脱いで半袖短パン姿に。風さえなければ体を動かしている間はこの格好でちょうどいい気温だ。そう言えば山頂での気温は+6℃くらいだったので真夏より下がっていた。秋雨前線より北側の秋の空気に入ってこの気温なのだから、例年より高いように感じる。前線の南側は完全に真夏の空気だろう。前線に近い県南部の上伊那や埼玉では大雨注意報が出ていた。どうりで南アルプスが見えないわけだ。

・ガレ場周辺ではオトギリソウ、アカバナ(ほぼおしまい)、オオバミゾホオズキが残っていた。明らかにシソ科と思われる小さな花を見かけたが種類は不明。タデ科の植物が多く見られたが、これらは花はほぼ同一で葉の細かな部分しか違いが無いので、私には細かな種類の見分けができない。

・種池山荘前を下り始めた時刻はまだ午前7時前なので、いつもなら早出の日帰り登山者とたくさんすれ違う時間帯だが、今日は登山口までにすれ違った登山者数は20人以下だっただろう。かなり少ないが、今日の天気予報も基本的には良くないのでこんなものだろう。登山道の途中から扇沢駅直下の有料駐車場を見下ろせる場所があるが、駐車場はガラガラだった。

・下りでもあまり汗をかかなかったので今日の水浴びは無し。その代わりにせっかく持って行ったのに出番がなかった濡れタオルで軽く体を拭いた。

 

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